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猗窩座が鬼になった理由とは?人間時代「狛治」の悲しい過去と壮絶な人生を時系列で解説

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猗窩座が鬼になった理由とは?人間時代「狛治」の悲しい過去と壮絶な人生を時系列で解説 鬼滅の刃
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猗窩座の人間時代「狛治」の生い立ち

猗窩座の人間時代「狛治」の生い立ち

上弦の参として強大な力を持つ鬼、猗窩座。人間時代の名前は狛治(はくじ)といいます。狛治は江戸の貧しい地区で生まれました。物心ついた頃から、病気で寝たきりの父親がいました。父親の存在が、狛治の人生を大きく左右することになります。

病気の父と盗みの日々

猗窩座(狛治)病気の父と盗みの日々

狛治の父親は、薬を飲まなければ咳が止まらないという重い病を患っていました。しかし、貧しい家庭に薬を買うお金はありません。狛治はたった一つの想いで、町に出ては他人の財布を盗むスリを繰り返します。それは「父親に薬を飲ませて元気になってほしい」という純粋な願いからでした。しかし、願いとは裏腹に、狛治は何度も役人に捕まります。捕まるたびに体に罰として入れ墨を彫られました。腕に三本の線が引かれた狛治は、もはやまともな生活を送ることが難しい「犯罪者」の烙印を押されてしまいます。それでも、狛治は父親のために盗みをやめませんでした。父親の健康だけが、狛治の行動のすべてだったのです。

父の悲しい死と江戸追放

猗窩座(狛治)父の悲しい死と江戸追放

ある日、奉行所から戻った狛治は、衝撃的な事実を知らされます。父親が自ら命を絶ったのです。枕元には一通の置き手紙が残されていました。そこには「真っ当に生きてくれ」という父親からの最後の願いが記されていました。父親は、自分の病気のせいで息子を犯罪者にしてしまったと苦しみ、狛治がこれ以上罪を重ねないように自ら死を選んだのです。父親の深い愛情と死の事実に、狛治は絶望します。守るべきものも、生きる意味も見失った狛治は、自暴自棄になり喧嘩に明け暮れる日々を送りました。その強さから、やがて江戸から追放されることになってしまいます。

素流道場の師範・慶蔵との出会い

素流道場の師範・慶蔵との出会い

江戸を追放され、あてもなく彷徨っていた狛治。ある時、一人の男性に喧嘩をふっかけます。その男性こそ、素流(そりゅう)という武術の道場を営む慶蔵(けいぞう)でした。狛治は大人を何人も打ちのめすほどの腕っぷしでしたが、慶蔵にはまったく歯が立ちません。人生で初めての完膚なきまでの敗北でした。慶蔵は、ボロボロになった狛治を道場へ連れて帰り、介抱します。そして、狛治に自分の道場で暮らすよう提案しました。これが、狛治の人生における大きな転機となります。

師範の娘・恋雪との出会いと恋

猗窩座(狛治)

慶蔵の道場には、恋雪(こゆき)という一人娘がいました。恋雪は生まれつき体が弱く、母親は恋雪を産んだ後に亡くなっていました。慶蔵は、病弱な娘の看病と道場の切り盛りに追われる日々を送っていたのです。狛治は、慶蔵から恋雪の看病を頼まれます。最初は戸惑いながらも、狛治は献身的に恋雪の世話をしました。毎日毎日、隣に寄り添い、体を拭き、食事の世話をする狛治。その優しさに、恋雪は次第に心を開いていきます。そして、狛治もまた、儚くも美しい恋雪に惹かれていきました。二人の間には、ゆっくりと、しかし確かな愛情が芽生えていったのです。

カタギとしての新たな人生と幸せな日々

猗窩座(狛治)カタギとしての新たな人生と幸せな日々

狛治が道場に来てから数年が経ちました。恋雪の病状は快方に向かい、道場には活気が戻りました。狛治の誠実な働きぶりを見ていた慶蔵は、ある決断をします。狛治に「道場を継いでくれないか」と申し出たのです。さらに、娘である恋雪を「狛治の嫁にもらってほしい」と告げました。予想外の言葉に、狛治は驚き、涙を流します。自分のような前科者が、こんな幸せを手にしていいのかと。しかし、恋雪自身も狛治を想っていました。

猗窩座(狛治)花火が上がる夜、恋雪は狛治に自分の気持ちを伝え、将来を誓い合います。

花火が上がる夜、恋雪は狛治に自分の気持ちを伝え、将来を誓い合います。狛治は、父親の遺言であった「真っ当に生きる」という言葉を胸に、二人を守り抜くことを固く決意しました。人生で最も幸せな瞬間でした。

祝言直前の悲劇・井戸への毒投入事件

猗窩座(狛治)

幸せの絶頂にあった狛治を、あまりにも残酷な運命が襲います。慶蔵の素流道場の土地を狙う、隣の剣術道場がありました。何度試合をしても慶蔵に勝てず、卑劣な手段に訴えます。狛治が、恋雪との祝言が決まったことを報告するために父親の墓参りへ行っている、ほんのわずかな留守の間に事件は起きました。剣術道場の者たちが、道場の生活用水である井戸に毒を流し込んだのです。そうとは知らずに井戸の水を飲んだ慶蔵と恋雪は、苦しみながら命を落としてしまいました。

狛治の怒りと復讐

狛治の怒りと復讐 慶蔵と恋雪は、苦しみながら命を落としてしまいました。

墓参りから帰った狛治が目にしたのは、変わり果てた慶蔵と恋雪の姿でした。守ると誓ったばかりの、かけがえのない二人を同時に失ったのです。狛治の心は、悲しみと絶望、そして激しい怒りで満たされました。愛する人を奪った者たちへの復讐心が、狛治を突き動かします。狛治は単身で隣の剣術道場へ向かいました。

猗窩座(狛治)師範代や門下生、合計67人の人間を素手で殴り殺したのです。その現場はあまりにも凄惨で、手足は砕かれ、原型を留めないほどでした。のちに役人が駆けつけた際には、そのあまりの惨状から「鬼が出た」と噂されるほどでした。

師範代や門下生、合計67人の人間を素手で殴り殺したのです。その現場はあまりにも凄惨で、手足は砕かれ、原型を留めないほどでした。のちに役人が駆けつけた際には、そのあまりの惨状から「鬼が出た」と噂されるほどでした。

絶望の淵での鬼舞辻無惨との遭遇

猗窩座(狛治)絶望の淵での鬼舞辻無惨との遭遇

復讐を果たしても、狛治の心は満たされませんでした。守るべきものは何もなく、生きる意味を完全に失ってしまったのです。ただあてもなく夜の街をさまよう狛治。そのただならぬ強さと鬼気に気づいた者がいました。鬼の始祖、鬼舞辻無惨です。無惨は、人間離れした狛治の強さに興味を持ち、鬼になるよう勧誘します。当時の狛治にとって、その誘いは断る理由のないものでした。もはや心には何も残っていなかったのです。

人間「狛治」の終わりと鬼「猗窩座」の誕生

猗窩座(狛治)人間「狛治」の終わりと鬼「猗窩座」の誕生

狛治は、鬼舞辻無惨の血を与えられ、人間としての生を終えました。そして、強さだけをひたすらに求める鬼、「猗窩座」として生まれ変わります。鬼になる際に、狛治だった頃の辛い記憶は全て失われました。しかし、潜在意識の中には、守れなかった恋雪への想いが深く刻まれています。猗窩座が女性を決して殺さず、食べることもしないのは、病弱だった恋雪の姿が心の奥底に残っているからです。また、強者への執着は、強くなって二人を守ると誓った約束の歪んだ形なのかもしれません。猗窩座が鬼になった背景には、愛する人を守れなかった一人の人間の、あまりにも悲しく壮絶な物語があったのです。

鬼滅の刃
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