宮野真守と『鬼滅の刃』運命のキャスティング、知られざる舞台裏

鬼滅の刃

絶大な人気を誇るアニメ『鬼滅の刃』において、宮野真守さんが演じる上弦の弐・童磨(どうま)

童磨 (どうま)

『鬼滅の刃』(C)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable

そのキャスティングは、多くのファンを驚かせ、そして「これ以上ないハマり役」と唸らせました。ここでは、そのキャスティングの裏話や本人のコメントを深く掘り下げてご紹介します。

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衝撃のサプライズ発表!すべては「遊郭編」最終話から始まった

事前の告知一切なしの抜擢

宮野真守さんの出演が初めて明かされたのは、2022年2月13日に放送された「遊郭編」最終話でのことでした。物語の終盤、上弦の陸・妓夫太郎と堕姫の過去回想シーンに、突如として童磨が登場。事前のアナウンスが全くなかったため、その特徴的な声が聞こえた瞬間、視聴者の間では「この声はもしかして…?」と騒然となりました。

エンドロールでの「答え合わせ」

そして、エンドロールで「童磨 CV.宮野真守」と表示された瞬間、SNSは爆発的な盛り上がりを見せました。「最高のサプライズ!」「鳥肌が立った」「童磨の声、宮野真守しか考えられない」といった興奮と絶賛の声で溢れかえったのです。

この衝撃的なお披露目は、制作陣の「ファンを驚かせたい」という粋な計らいであり、宮野真守というビッグネームの起用が、いかに本作にとって重要な一手であったかを物語っています。

宮野真守が語る「童磨」という存在 ― 役作りの深層

宮野さん自身、童磨というキャラクターを非常に深く考察し、その複雑な内面を表現することに情熱を注いでいます。コメントからは、役への真摯な姿勢がうかがえます。

公式コメントで語った覚悟

「童磨は、僕が今までのキャリアで培ってきた“すべて”を注ぎ込まないと演じられない、大変難しい役だと感じています。彼の持つ、底が知れない恐ろしさ、軽薄に見える態度の裏にある異質さ、そして“感情がない”という部分をどう表現していくか。ファンの皆さまの期待値もひしひしと感じているので、その想いに応えられるよう、僕も全身全霊で臨みます。」

宮野さんは、童磨を単なる悪役としてではなく、人間とは全く異なる価値観を持つ「異形の存在」として捉えていることがわかります。特に「感情がない」というキーワードは、彼の役作りの核となっているようです。

「気持ち悪さ」へのこだわり

あるインタビューでは、「童磨を演じる上で『気持ち悪い』と言われるのは、僕にとっては最高の褒め言葉です」と語っています。彼の目的は、視聴者に生理的な嫌悪感や得体の知れない恐怖を与えること。そのため、あえて抑揚をつけすぎず、平坦で軽やかな口調の中に、狂気と残忍さを滲ませる演技プランを立てていると明かしました。

キャスティングの妙 ― なぜ宮野真守だったのか?

ファンや評論家の間では、宮野真守さんの起用は「解釈一致の極み」と評されています。

多面性の表現力

宮野さんは、爽やかなヒーローから狂気に満ちた悪役まで、圧倒的な演技の幅を誇ります。童磨の持つ、「万世極楽教の教祖としてのカリスマ性」「感情が欠落したサイコパスな鬼」という二つの顔を完璧に演じ分けられる声優として、制作陣が白羽の矢を立てたのは必然だったのかもしれません。

“胡散臭さ”と“底知れなさ”の達人

彼の演技には、どこか本心を見せない「胡散臭さ」や「底知れなさ」を表現する独特の魅力があります。一見、人懐っこく話しかけてくるのに、全く心が通っている気がしない…そんな童磨の薄ら寒いキャラクター性を、宮野さんの声は見事に体現しています。

豪華声優陣が集結!「無限城」アフレコの裏側

「刀鍛冶の里編」第1話では、鬼舞辻無惨と上弦の鬼たちが集結するシーンが描かれ、そのアフレコ現場はまさに伝説的なものとなりました。

「とんでもないプレッシャーでした(笑)」

宮野さんは、このアフレコについてラジオ番組などで度々言及しています。

「スタジオに入ったら、(鬼舞辻無惨役の)関俊彦さんを筆頭に、(黒死牟役の)置鮎龍太郎さん(半天狗役の)古川登志夫さん(玉壺役の)鳥海浩輔さん…と、レジェンド級の大先輩方ばかり。あの無惨様のパワハラ会議のシーンは、本当に胃がキリキリするような、とんでもないプレッシャーでした(笑)」

レジェンドたちとの共演の喜び

一方で、そのプレッシャーすらも楽しんでいた様子も語っています。「でも、これだけのメンバーの中に“上弦の弐”として自分の席があるという事実に、武者震いというか、非常に興奮しました。この一員として芝居ができることが本当に光栄です」と、豪華キャスト陣との共演への喜びを隠せない様子でした。

今後、「無限城編」での本格的な登場が待たれる童磨。宮野真守さんがその類まれなる表現力で、胡蝶しのぶとの因縁の対決をはじめとする名シーンをどのように彩るのか、ファンの期待は最高潮に達しています。